ベランダ金魚

桜の下でお昼を食べませんかとの誘いをうけて、
たまには気分転換も必要だしと多少言い訳をしながら兄嫁と甥っ子と母と、
ひと駅ほど先の神社のある公園へ。
最近ひとりで歩けるようになった甥っ子は歩くのが楽しくて楽しくて。
土のうえも石畳でも。たったかたったか、たったかたったか。
まだよたよた歩く彼が転ばないか後ろからついて歩くおばちゃんを振りまわしながら、
きゃっきゃっと嬉しそうに自由きままに公園を歩く歩く。
通りすがりのおばあちゃんやおじちゃんに愛想をふりまいたり。
車椅子を押すお姉さんにこんにちはと挨拶されて、ぺこりと頭をさげてお姉さんと私を驚かせたり。
屋台のサメすくいのサメがどうにも気になったり。
彼の目線で見る世界は私にも新鮮で、桜を撮るのをすっかり忘れたまま帰ってしまいました。
少し広がった世界にまっすぐ進む彼をみならって、私も頑張ろう。